コラム

「どっかん!」

(自民党メールマガジン平成21年2月6日配信)

地元の京都にいるときは、毎朝、街頭演説をしているが、先日、その様子を見かけた方からメイルが届いた。その要点は、「どっかん!」という漫画が面白いので、読んでみては?というものであった。

本宮ひろ志氏がプロデュースした漫画で画風も本宮氏と同様なところを見ると、作画をされた熊田茂氏は、本宮氏のアシスタントだったのだろうか、などと思いながら全6巻を一気に読破した。まぁ、読み易い漫画なので読破したと言うのは、やや語弊があるかもしれない。

種類としては、空想政治ものと言ったところか。兎に角、豪快でハチャメチャな漫画である。最後には、国会議事堂がドッカァァァンと爆発するシーンで大団円を迎える。実際、国会議事堂を爆破するのは、相当困難な作業ではあるが、それぐらいやってやろうか、と思っている国民も今の国会を見ていると居るのではなかろうか。

実は、私も今の国会に、寂しさやむなしさを通り越して怒りを感じている。もちろん、爆破しようなどとは考えてはいない。しかし、ねじれ国会になってから、国会の運営は正常とは言えない。なかなか物事が前に進まないし、そもそも、誰のための政治をやっているのか、その大事な観点が見失われていると感じる。

例えば、我が党が定額給付金を行うと言えば、民主党は、天下の大愚作と言い徹底的に反対に回ったし、現在も参議院では関連法案を1分も審議しないという審議拒否を行っている最中である。一方で、民主党も2008年12月「税制抜本改革アクションプログラム」において定額減税をした上での「給付付き税額控除」を掲げていた。本質的には、我が党が実施しようとしている定額給付金と大した差はない。

しかし、党利党略で我が党が実施することに関しては、彼らは絶対に反対なのである。我が党は国家・国民のために、と考えた政策である。恐らく、彼らもそうであろうし、そうあって欲しいと願うのであるが、であるならば反対する必要はない。でも、現に反対している。ここに、国を思う心や国民の生活を守るための気概を私は感じない。

漫画のように国会議事堂がドッカァァァンと爆破される前に、誰のための、何のための政治なのか、みんなで考えなければならない。そうでなければ、漫画が現実になる日が来るかもしれない。少なくとも私は、そのような結果が訪れないように引き続き努力したい。