コラム

人生と価値観を変えたきっかけ

(自民党メールマガジン平成18年3月24日配信)

1998年8月にケニアとタンザニアにあるアメリカ大使館が、ほぼ同時刻に爆破されました。その時、私は、ケニアに滞在していました。雷のような轟音と空からではなく地上から空に向けて走る稲光を見ました。それが、爆破テロの瞬間だとは、その時は考えもしませんでした。大勢の方が犠牲になりました。なぜ、自分たちの主義主張を訴えるためにあのような卑劣な行為をしなければいけないのか、私には理解できませんでした。

このアフリカで起きたアメリカ大使館同時爆破テロの首謀者とされたのが、オサマ・ビンラディンでした。あのような惨いテロを行った人間の名前は二度と忘れないと思いました。しかし、残念ながら、その名前を3年後再び聞くことになろうとは、夢にも思っていませんでした。

2001年9月にワシントンDCにある米国防総省とニューヨークにあるワールド・トレード・センターが同時多発テロに襲われた時、私は、ワシントンDCに滞在していました。その日のDCの街は、まるで被災地のようでした。沢山の人たちが避難民のように、自宅を目指してぞろぞろと歩いている異様な光景でした。

昨日まで安全に安心して平和に過ごしていた日常が、簡単に一瞬にして壊されてしまう。そんなテロの現場に遭遇した私は、自分には一体何が出来るのかを自問自答する機会が増えました。日本もいつそのような事態に陥るか分かりません。これからも日本が平和でみんなが安心して日常を過ごせるような国づくりの一助になりたいと思っています。