コラム

深層心理の中の戦後

自民党メールマガジン平成21年5月1日配信

私は、現在33歳、戦後生まれである。普段、私は戦後生まれだ、などと意識して生活はしていない。しかし、ちょっとした時に、これは戦後生まれの感覚ではないのか、と考えることがある。

例えば、私も大好きだった某有名漫画は、主人公が最強になる瞬間、容姿が変化し、金髪で青色の目になる。それを観た時、「結局、この作者も戦後生まれで、白色人種に対する劣等感があったのか」と、とても残念な気持ちになったことがある(もちろん、私の推測の域を脱し得ないので、作者には別の意図があったのかもしれない)。

その話を友人にしたら、「そんなことを考えて漫画を読んでいるのか」と笑われた。でも、私は、それが笑い話には思えないのである。

確かに、日本は先の大戦で負けたが、それで人種としての優劣が決まるわけではない。実際、日露戦争では日本が勝っている。その際には、有色人種が白色人種を打ち負かしたことで他の有色人種の国々が沸き立ったと言う人もいる。しかし、むしろ他の白色人種の国々が受けた衝撃の方が、それよりも大きかったのではないかと私は思う。

どちらにしろ、肌や髪、そして目の色などで、能力は左右されない。あの漫画は大好きだった分、終盤の容姿にまつわる展開だけは残念でならない。しかし、そう言っている自分自身、某ロボットアニメでは、赤い彗星が好きだ。よく考えれば、彼も金髪だった。私の深層心理の中にも戦後が巣くっているのだろうか。